おすすめな人
- 育児でこどもに何をやらせようか迷っている親
- 自分も何をやっていいか迷っている人
おすすめ度【★★★★★】
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個人的読書難易度 【★★☆☆☆】
読みやすいです。
早期専門教育という病
今、世の中では「小さいうちから一つのことに集中させる」ことが、あたかも“成功の王道”のように語られています。英語、水泳、ピアノ、サッカー、野球…周りを見ても、3歳や4歳で“すでに選ばれた道”を歩かされている子どもたちがたくさんいます。
何を隠そう、僕自身も子供にはやくバスケを習わせたいとずっと思っていました。
親になって感じることですが、「早く始めなければ」「人より先に進まなければ」と焦りがちになります。
ましてやSNSが普及している現代では、容易に同年代の子が何をしているのかが目に入るのでなおさらです。
寄り道こそ糧になる
例えば、この本の中で紹介されているプロテニス選手のロジャー・フェデラーは、幼い頃は特定のスポーツに絞らず、バスケットボールやバドミントンなど様々な競技に取り組んでいたそうです。
フェデラー選手は“寄り道”の中で多様な身体感覚を養い、その経験がテニスでの創造性や判断力として花開いたと紹介されています。
このエピソードに限らず、本書では“後期専門化”の方が長期的な成功につながるという事例が数多く紹介されています。
繰り返しですが、親である私たちは、「早く始めなければ」「人より先に進まなければ」と焦りがちです。
でも、それはもしかすると親の不安や見栄が先に立って、子どもの可能性を狭めているのかもしれません。
焦らず、比べず、子どもがいろんな世界に触れられるような環境をつくる。「遊び」や「脱線」や「寄り道」が、将来の力になると信じてみる。
そう感じさせてくれる本です。
早期教育が【悪】ではない
タイガーウッズを例にとり、このような早期教育の成功例は否定されていません。
私自身も早期専門教育の成果を否定するつもりはありません。
ただ、それがすべての子どもに当てはまる万能の正解ではない、ということを私たち親は心に留めておくべきだと思います。
親として、焦らない勇気を持ちたい。
私自身、子どもの習い事や将来について、「そろそろ何か一つに決めた方がいいのでは」と焦る気持ちがありました。
でも『RANGE』を読んでからは、その焦りにブレーキがかかりました。
今この瞬間、子どもが夢中になっているものが、将来に直接つながるかどうかはわかりません。
でもその【寄り道】の経験こそが、実は本当の力になっていく。
そう思うと、子どもがいろんなことに挑戦することを、もっと肯定的に受け止められるようになりました。
今日もあざました。
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